その道のスペシャリストをめざすキミたちも、学校選びはとても難しい。どうしたらいいか分からない人も多いはず。そんな時は、まず専門学校をとことん研究してみよう。ここではよく耳にする素朴なギモンを集めてみました。これを読めば今日からキミも専門学校のスペシャリストになれるかも?!

Q

専門学校ってどういう教育機関なの?

A

少し難しいお話になりますが、専門学校は、大学や短期大学、そして高校と同じ学校教育法という法律にその目的や内容が規定されています。学校教育法では、専門学校は「職業もしくは実際生活に必要な能力を育成し、または教養の向上を図る」ことを目的としています。したがって、専門学校は職業に直結する技術や資格取得のための教育をしたり、専門学校卒業生としてふさわしい教養を身につける教育を行っています。

Q

専修学校と専門学校は どう違うの?

A

「専修学校」は、学校教育法で規定された学校で、目的・修業年限・授業時間・課程の種類・設備などが一定の基準で定められている学校です。その中には、①中卒者以上を入学資格とする高等課程、②高卒者以上を入学資格とする専門課程、③学歴・年齢に関わらず入学できる一般課程の3種類あり、このうち②の専門課程を設置する専修学校のことを「専門学校」と呼んでいます。2年制の専門課程は、入学資格や修業年限など短期大学と同様で、例えば2年制専門課程修了者が公務員となった場合は、人事院規定により、短期大学卒同等待遇となっています。また、一般企業においても短期大学卒同等であるばかりか、資格や技術を評価して短期大学卒以上の待遇をするところも増えています。

Q

専門学校卒業後、4年制大学に編入できるようになったって本当?

A

これまで、専門学校の卒業生が大学に入るには、高校卒業者と同じ入学試験を経て、1年生から始める以外に方法がありませんでした。しかし、学校教育法の改正により、平成11年からは専門学校で取得した単位を入学した大学の単位に換算して、途中年次への編入学が可能になりました。これまで、短期大学の卒業生には認められていた制度でしたが、これからは、専門学校の卒業生も同等に認められるわけです。つまり、短期大学と専門学校がほとんど同様の位置づけになったということです。ただし、修業年限や授業時数の基準がありますので、くわしくは希望する学校に確認した方がいいでしょう。

 

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Q

認可校と無認可校ではどう違うの?

A

専門学校は、校舎面積や施設、教員数やその資格など様々な条件があり、すべての条件を満たしていると専門学校として都道府県(千葉県)から認可されます。ところが、これらの条件をすべて満たしていなかったり、その他の事情により認可されていない無認可校という教育機関があります。無認可校では、学歴として認められないばかりか、大学編入学資格や短期大学卒同等待遇を得られなかったり、通学においても学割が認められず、値段の高い通勤定期で通うこととなります。さらに、無認可校在学中に何かあっても、都道府県から保護を受けることができません。特別な事情がない限り、認可校へ進学した方がいいと言えるでしょう。

Q

専門学校は、どんな団体や人が設置しているの?

A

専門学校の設置者には、学校法人をはじめ、財団法人、医療法人、宗教法人などの公益法人や、組合、個人などが設置しています。公益法人は、専門学校設置にあたり寄付行為を行い、公益性の高い教育事業を行うかわりに税制上の優遇措置を受け、皆さんの学校納入金から税金を納めることなく、専門教育を行っています。

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Q

専門学校に進学したいのですが、学校選びの前にすることは?

A

専門学校に進学するために、もっとも大切なことは目的意識です。専門学校は職業や実際生活に直結する教育を行う機関ですから、①自分が将来就きたい職業は何か、②その職業に就くためにどんな技術を身につけるのか、③その職業にはどんな資格があるのか、などを自己確認したり調査したりしなくてはなりません。また、自分の興味や適性とも照らし合わせる必要があるでしょう。

Q

専門学校を選ぶ上でのポイントは?

A

専門学校進学に関する情報誌などには、たくさんの専門学校の情報が載っています。これらの中から自分の目的と一致する教育を行う専門学校を、数校ピックアップし、学校案内を取り寄せましょう。学校案内には、カリキュラムや就職状況、入学方法や学校納入金などの情報が掲載されています。これらの情報を分析し、通学時間などを考慮して専門学校の体験入学や説明会に参加したり、訪問しましょう。専門学校の先生方が親身になってみなさんの相談に応じてくれます。さらに、その専門学校に進学した先輩や進路指導の先生に尋ねたり相談したりすれば、おのずと進学したい学校が決まると思います。

Q

専門の知識もなく、高校の成績も今一つなのですが大丈夫?

A

専門学校では、専門教科の基礎・基本から指導しますので、専門の知識はなくても大丈夫です。また、高校の授業は、社会人になるための基礎となる教育ですからしっかり勉強していれば、就職も有利なことは事実です。しかし、専門学校の授業は高校の授業の延長線上にあるものではありませんので、高校の成績を心配するより、目的意識と勉強する心構えをしっかり持つべきです。その結果、成功した先輩もたくさんいます。

Q

専門学校の入学方法は?

A

専門学校の入学選考方法は、学校によって多少の差がありますが、大学の入学試験のように試験の点数の上位から順に決めるのではなく、10月から翌年3月にかけて数回の選考を行い、入学者としてふさわしいものから順に合格させ、定員に達した学科から募集を締め切るのが一般的です。選考方法は、書類審査をはじめ、適性検査や面接を行い、一部の学校では学科試験を取り入れています。ただし、面接や試験では、受験者の目的意識がしっかりしているか、その分野に向いているかどうかが最も重要です。また、専願者を対象に、推薦入学制度を取り入れている学校も多くあります。

Q

推薦で入学するには、やっぱり成績が良くないとダメ?

A

原則として高等学校長の推薦があれば誰でも応募できます。高校の成績も普通はC以上(およそ5段階で3以上)ならOKです。ただ、なかには、専門分野に関する特定の教科(例えば国語や英語)に成績の基準を設けているところもあるので、不得意科目がある人はしっかり勉強しておきましょう。

Q

大学・短期大学との併願制度ってナニ?

A

定員に達した学科から募集を締め切る専門学校では、大学や短期大学との併願制度を取り入れているところもあります。併願制度とは、志望大学や短期大学の合格発表まで学校納入金の延納を認めてくれたり、志望大学や短期大学の合格通知を提示すると納入金の一部を返還してくれる制度です。大学や短期大学を受験する場合には、ぜひ利用したい制度です。

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Q

専門学校と大学や短期大学を同時に学ぶ併修制度ってナニ?

A

専門学校の中には、大学や短期大学の通信教育を同時に学ぶ併修制度を取り入れているところもあります。これは専門学校で専門の勉強をしながら大学や短期大学卒という学歴を手に入れようとするシステムで、国家資格の一次試験免除や受験資格が得られたりします。専門学校の勉強と大学や短期大学の通信教育を同時に学ぶわけですから、しっかりとした目的を持ち、はりきって学ぶ姿勢が必要です。

Q

専門学校の授業は厳しく、アルバイトもできないってホント?

A

専門学校は、法律により年間800時間以上(実際は学校により900~1,200時間位)の授業を行い、専門技術の実習や資格取得のための勉強をしています。年間800時間は、一見厳しそうに見えますが、登校日が200日ならば1日わずか4時間という内容です。まして、目的意識を持って入学すれば、好きな専門の授業がほとんどですから楽しいという学生も多くいます。また、アルバイトですが、資格取得のためにはしない方が良いのですが、専門学校の担任の先生と相談し、時間管理をしっかりすれば、アルバイトをすることも可能です。